食べてすぐに昼寝をしたら太りますか?

吉川朋孝

太りません。食べてすぐに寝たら太ると言われるのは、寝るような夜の時間帯に食べたら太るという意味です。それも炭水化物(糖質)が太りやすく、肉や魚なら夜遅くに食べてもそこまで脂肪はつきません。

夜に食べると太りやすいというのは生理学的に見ても事実です。これは、体内時計のリズムに関係しています。人間に限らず太陽系に住む生命体は、太陽の周期とともに進化してきたわけですから、身体の中には周期(体内時計)に関連する機能があるはずです。

じゃないとそれを獲得した生命体と獲得できない生命体とでは、カロリーの消費量に差が付くなどエネルギー効率の問題によって、生存確率に大きな差が付くからです。寝ている時、休んでいるときが動物にとって一番危険にもかかわらず、その機能が残っているのは、身体の中のそういった周期を作る機能がとても大事だったからでしょう。

実際、人間の身体の中では体温や血圧、脈拍が朝から徐々に高くなり、夜になるにつれ下がっていき、身体が休む準備をするのです。後ほど説明しますが、ホルモン系にも時間が関係するものが多数あり、夜に分泌が増えるものもあります。

昼と夜が逆転な生活をしていても、自分がいる場所の太陽の周期が変わらない限り、これらの機能が逆転することはありません

体内時計に関する仕組みは色々ありますが、その中で脂肪の付きやすさに関連深いのがビーマルワン(BMAL1)というたんぱく質の一種です。ビーマルワンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれ、ビーマルワンの分泌が多い時間帯が太りやすく、分泌が少ないときに太りにくいのです。

人間の体内時計は24時間より少し長く25時間近くありますが、どんどん体内時計がズレていかないのは、毎朝太陽光を浴びることで体内時計がリセットされるからです。時差ボケはこのタイミングがズレるからですね。

また、この体内時計の機能が正常に働くようにすることが大事です。遮光カーテンなどによって太陽光が入らない寝室で寝ないで、寝室に太陽光がわずかでも入るようにして、朝に太陽光を浴びるようにしましょう。

以下のグラフがビーマルワンの時間帯による分泌量

このグラフを見てわかるとおり、日中は太りにくく、夜遅くは太りやすいです。消化の時間も考えると20時までに食事を終わらせたいところですね。また、太りやすい最大の原因はインスリンです。そのインスリンを分泌させる糖質が一番太りやすいわけですから、夜遅くにラーメンなどもってのほかです(笑)

夜遅くは空腹の方が痩せやすく睡眠の質も高まる

夜遅くに食べないほうが良い理由はビーマルワン以外にもう一つあります。別名「若返りホルモン」と呼ばれる成長ホルモンが夜遅くに食べると著しく分泌量が低下するからです。成長ホルモンは脂肪分解作用も強いため、成長ホルモンが多く分泌されたほうが痩せやすくなります。

この成長ホルモンがしっかり分泌されるには、二つの条件がいります。ひとつは空腹であること、もうひとつは就寝中であること。そして、成長ホルモンが最も分泌される時間帯が夜の22時〜深夜2時なのです。ビーマルワンの分泌のピークと重なりますね。

それから、夜はなるべく空腹で寝た方が翌朝の目覚めは良いです。←これマジです(^^) ビーマルワンの観点からも成長ホルモンの観点からも睡眠の質向上の観点から見ても、夜遅くはできるだけたくさん食べない方がいいですね。たとえ糖質制限をしていない人であっても、せめて夜だけは糖質を避けましょう!

POINT
  1. 体内時計を正常に働かせるため、朝に太陽光を浴びる
  2. 日中にしっかり食べて夜の食事をなるべく抑えるのが理想
  3. 夜は空腹で寝たほうが睡眠の質が向上し、痩せやすく太りにくい

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