吉川朋孝
筋肉をたくさんつけると動きが遅くなるというのは間違いであり、真実は逆です。むしろ、筋肉があったほうが動きは速くなります。
筋肉は脂肪より重いので、そのイメージで「筋肉=重い」と思われているかも知れません。筋肉が何の力も発揮しないのなら、たしかに重い方が動作は遅くなりますが、筋肉は大きな力を発揮するものなので、実際には動作が速くなり体が軽くなります。下半身の筋肉がつくと階段を上るのが軽く感じられるのは、まさにこの原理ですね。
筋肉は、大きく分けて速筋繊維と遅筋繊維とありますが、筋トレでつける筋肉は速筋繊維です。速筋繊維は肥大しやすく瞬発力が高い筋肉です。この速筋繊維の筋肉があるということは、それだけ出力エネルギー、瞬発力が高いということですから、動きは速くなります。
100mを10秒切るスプリンターが筋肉隆々だったり、ハンマー投げ金メダリストの室伏広治さんがあらゆるスポーツでトップクラスの成績が出せるのは、筋肉が多く、体脂肪率が低いからです。
人体を車で例えるなら筋肉がエンジン、体脂肪がボディです。体脂肪率が低く筋肉が多いということは、軽自動車のボディにトラックのエンジンを積んでいるようなものですから、筋肉があるのと無いのとで、どちらが軽やかで速いかは自明ですね。
POINT
- 筋肉は重いが、筋肉があったほうが体は軽く感じる
- 速筋繊維を増やせば瞬発力が上がり動作が速くなる
- 体脂肪率が低く筋肉量が多いということは、軽いボディに大きなエンジンを積んだ車のようなものなので、動作は速く力が大きくなる